坐骨神経痛の治療について
【坐骨神経痛とは】
まず始めに、結構誤解されやすいのですが、坐骨神経痛とは「病名」ではなく「病状名」です。
「病名」とはよく知られている椎間板ヘルニアやか変形性脊椎症など痛みの原因が判明しているのに対し、
「病床名」とは、この坐骨神経痛や腰痛症など痛みの原因うんぬんよりも単に痛みを訴えている幹部の場所を指した漠然とした総称
言い方を変えれば、病床名と病名では、カテゴリーが全く別なのです。
坐骨神経痛には病名も原因も症状も複雑複数あるのです。
【坐骨神経痛の症状】
坐骨神経は靭帯で1番長い神経で、臀部後綿の梨状筋の下から大腿部中央を垂直に走り、ハムストリング筋に分岐を出し、最終時には2つに分かれ下肢~足裏に走行していますが、この辺り一帯の痛みがあることを指して坐骨神経痛と呼びます。
但し、人それぞれ表現や程度はバラバラです。臀部から下肢へ広がるなんとも表現しがたい、しつこくて嫌な重だるさであったり、ひどい時にはほんの軽い動作でも起きる下肢への電撃放散痛であったりします。
また、坐骨神経痛は理論的には運動神経・知覚神経・自律神経の3者が影響(麻痺)受けるが、全て影響を受けているケーるは少ないのです。
【坐骨神経痛の原因】
坐骨神経痛を伴う病気は様々であり、当然痛みを引き起こす原因も各々違います。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎間を構成する椎間板が変形し、椎間板内の繊維輪が膨隆[ぼうりゅう]したり、髄核の脱出が起こり神経根を圧迫してしまう。
※詳細は
椎間板ヘルニアをご覧ください。
脊柱管狭窄症
脊髄を流れている背骨の中のトンネル、脊柱管の周辺の骨や靭帯が老化などで肥厚してトンネルが狭くなり、そのため神経が圧迫されて痛みを生じてしまいます。
※詳しくは
脊柱管狭窄症をご覧ください。
脊椎分離すべり症
ほとんどの場合、第4・第5腰椎に起こります。10歳台後半に激しいスポーツを行っていた人に多くスポーツで激しい動きを繰り返したために起こった骨折が治らないまま分離した状態になっています。
これを放置しておいたり肥満になったり腹筋力が低下すると、後方で支える力がなくなり腰椎が前にすべることがあります。このすべりがひどくなると脊髄神経が圧迫され坐骨神経痛を引き起こします。
また分離しなくても椎間板が変性して間接や靭帯などの支えが弱まるとすべりやすくなります。
すべって前方移動した椎骨の神経根刺激を回避するため、それを元の後方位置に戻してやるような矯正を行います。
また、腰椎のカーブが強くなっているケースが多いのでそれを緩めたり、患部への負担を軽くするために胸椎や頚椎の矯正、また牽引を行って減圧をします。
症状が収まれば腹筋や背筋を鍛え不安定になった骨を支える筋肉を強化し腹圧を安定させます。
また、コルセットで固定させて安静にする保存療法や、骨を分離用地に移植する極めてまれなケースもあります。
梨状筋症候群
坐骨神経痛には色々ありますが、実はほとんどのケースがこれに該当します。
梨状筋は仙骨(おしりの真ん中の骨)から始まり、股関節(脚の付け根)に付いており、股関節を外旋(足先を外に向ける)させる働きがあります。この筋が炎症もしくは過度の緊張状態になると、その下を通る坐骨神経痛を圧迫して神経の走行に沿って痛みが出ます。また過緊張は仙骨のゆがみや股関節の稼動域の現象からも発症していきます。
梨状筋の過緊張を取り除くことが何よりの特効薬です。
まず梨状筋を含めた臀部や大腿筋をほぐします。
また、筋の付着部である仙骨や股関節の矯正で稼動域アップがかなり有効的です。
変形性脊椎症
1度変形してしまった骨や軟骨は元に戻らないので痛みをコントロールする対症療法が中心となります。
これは一種の老化現象です。椎間間接の軟骨が磨り減り、靭帯や椎間板の弾力性が失われるために背骨の柔軟性がなくなります。すると椎間板に接している椎体の角の部位に繰り返し力が加えられ、その部位に骨が増殖してとげ(骨棘[こっきょく])のようになったり、厚くなったりします。この骨棘は神経を刺激したり、圧迫したりして痛みを引き起こします。
神経圧迫が起きている椎骨周辺の筋を緩め血行を良くし痛みを和らげたり、無理のない程度での骨格矯正で患部への負担を最小限に抑えます。
また温熱療法や薬物療法(消炎鎮痛剤)を服用させる所もあるようです。
脊椎腫瘍・脊髄腫瘍
カイロプラクティックは適応外になります。
手術療法、抗がん剤投与、放射線療法などを症例によって考慮します。
【坐骨神経痛の予防】
病名によって、もちろん必要不可欠な予防法もありますが、ここでは全体的な事を述べます。
● 筋肉や骨格を常に柔軟に保ち負担を常に最小限に保つ。
● 腰に負担が掛かる姿勢を長時間とらないように心がける。
● 重いものを持ち上げる時の体勢には充分気をつける。
● 普段から足腰をバランス良く鍛える。
● 寝る前、お風呂上りなどにストレッチをして柔軟性を保つ。
● 体重増加に気をつける。
● 適切な椅子・机・ベッドの選択をする。
【備考】
「偽坐骨神経痛」というのをご存知でしょうか?
大腿神経痛といって大腿神経に沿った痛みで、坐骨神経と走行が似通っているものもあります。
また,トリガーポイント(筋筋膜痛症候群)といい筋肉の一部が硬結することによって、その筋特有の一定放散痛領域パターンを起こすケースもありますが、これは決して神経圧迫は起こしておらず、臀筋群の中でも中殿筋・小殿筋そして梨状筋のトリガー放散痛が偽坐骨神経痛に該当します。